2007年 11月 06日
睡蓮の庭 |
この間にも、何冊か読んではいたんです
中でも、時間がかかってしまったのが
「睡蓮の庭」
余りの分厚さに、どうしようかな~と読み始めたので・・・・・
案の定、内容が内容だけに時間がかかりました
文化大革命の時代を生き抜いた少女の話で題材は重いのですが
内容は、とても繊細で、思春期の少女が、ひどい生活を強いられながらも、素晴らしい人たちに出会い、友情を育み、懸命に生きてきたフィクションの小説なんです
学識のある人たちが革命分子とされて労改に送られ
思想改革とい名のもとに過酷な労働と、人とは思えない生活をさせられ
貧しい人たちは、これこそ国の鏡のように言われながらも、その生活ぶりといったら
貧しい以前に、人としての人権など微塵もなく扱われる
今では考えられないような時代があったんだと驚くばかり
でも、今も、そんな、捻じ曲がった考え方が通っている国もあるんだと思うと
恐ろしく感じます
生まれる場所や、階級は、自分では選べなくても努力すれば、自分も変われるはず
なのに、それが生まれ持った物は決して変わらないとしたら
いくら偉くなっても、それが本当に優れた人であっても
上の意に沿わないからといって迫害されるとしたら
それは絶望以外の、何者でもないと思います
そんな時代に本当のあるべき世界の意味を知り、少しの希望と、夢、強さを持ち、階級の差や、世の中のおかしい事を、周りに流されず生きた少女は強いと思いました
でも、間違った考え方を教えこまれ、それが、すべてだと信じている人は、なんて不幸なんでしょう
物語中盤の学識のある先生から受ける個人授業の場面や階級の違いを越えて、貧しい少女と友情を深める内容はとても興味深かったのですが
ラストにかけての展開が・・・・・・・
あまりにも意外すぎて、物語の流れが一気に変わってしまって残念な感じ
正直、その時代を知るにはいいと思うのですが
私の感想から言うと、まあまあですかねぇ
以前読んだ事のあった、同じ文革を題材にしたフィクション小説の
「ワイルドスワン」
こちらの方が、お勧めです!
by CHIKUCHIKU_eriko
| 2007-11-06 11:23
| 本